加齢黄斑変性

「最近、直線が波打って見える」「本の文字が歪んで読みにくい」「中心部がぼやけて見える」このような症状でお悩みではありませんか?

これらは加齢黄斑変性の初期症状かもしれません。
加齢黄斑変性は50歳以上の方に多く見られる眼の病気で、福岡県の久山町で行われた健診結果では発生率が50歳以上の0.87%でした。

放置すると重度の視力低下を招く恐れがありますので、早期発見・早期治療が重要です。



加齢黄斑変性とは

加齢黄斑変性の基礎知識

加齢黄斑変性の基礎知識

網膜の中心にある黄斑部は視力を司る最も重要な部分で、ものの形や色、細部を識別する機能を担っています。加齢黄斑変性は、「黄斑部」が加齢により障害され、見ようとするところが見えにくくなる病気です。

加齢黄斑変性は、日本人の中途失明原因の4位を占める深刻な眼疾患です。厚生労働省の統計によれば、人口の高齢化に伴い患者数は年々増加傾向にあり、2020年には50歳以上の約1.5%が罹患していると報告されています。

加齢黄斑変性の種類

加齢黄斑変性には大きく分けて「萎縮型」と「滲出型」の2種類があります。

萎縮型加齢黄斑変性は、黄斑部の組織が徐々に萎縮していく比較的進行の遅いタイプです。症状の進行は緩やかですが、現在のところ有効な治療法はありません。

滲出型加齢黄斑変性は、黄斑部に異常な血管(脈絡膜新生血管)が発生し、血液や水分が漏れ出すタイプです。進行が早く、放置すると急速に視力の低下する恐れがあります。しかし、抗VEGF薬の硝子体内注射など効果的な治療法が確立されています。

日本では「滲出型」が多いとされています。

加齢黄斑変性の症状

典型的な初期症状と進行

加齢黄斑変性の初期症状として最も特徴的なのは「変視症」です。

変視症とは、直線が波打って見えたり、歪んで見えたりする症状です。例えば、カレンダーの罫線が曲がって見える、ドアの枠が歪んで見える、などの症状が現れます。

その他の初期症状としては:

  • 視界の中心部がぼやける
  • 文字を読むのが困難になる
  • 色の識別が難しくなる

加齢黄斑変性は通常、片目に発症すると、もう片方の目にも発症するリスクが高いです。両眼に発症した場合、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。

アムスラーチャートによる自己チェック

加齢黄斑変性の早期発見には、「アムスラーチャート」を使った自己チェックが有効です。これは碁盤目状の格子模様を見て、直線が波打って見えるかどうかをチェックする簡単な方法です。

アムスラーチャートによる自己チェック

加齢黄斑変性の原因とリスク要因

主な原因とリスク要因

加齢黄斑変性の最大のリスク要因は、その名の通り「加齢」です。
50歳を過ぎると発症リスクが高まり、70歳以上では特に注意が必要です。しかし、年齢以外にも以下のようなリスク要因が知られています。

  • 喫煙:喫煙者は非喫煙者に比べて2〜3倍発症リスクが高いとされています
  • 遺伝的要因:家族に加齢黄斑変性患者がいる場合、リスクが高まります
  • 高血圧・動脈硬化:循環器系疾患はリスクを高めます
  • 紫外線暴露:長年の紫外線暴露は発症リスクを高めます
  • 肥満・不適切な食生活:抗酸化物質の不足や肥満もリスク要因です

予防と生活習慣

加齢黄斑変性の予防には、以下のような生活習慣の改善が効果的です:

  • 禁煙
  • バランスのとれた食事(緑黄色野菜、青魚などの摂取)
  • 適度な運動と血圧管理
  • 紫外線対策(サングラスの着用など)
  • 定期的な眼科検診

特に、ルテインやゼアキサンチンなどの抗酸化物質を含む食品の摂取が推奨されています。これらは主にほうれん草やケール、トウモロコシなどの緑黄色野菜に多く含まれています。

加齢黄斑変性の診断と検査

眼科での精密検査

加齢黄斑変性の診断には、以下のような検査が行われます:

  • 視力検査:基本的な視力の評価を行います
  • 眼底検査:散瞳薬で瞳孔を広げ、網膜の状態を詳しく観察します
  • OCT(光干渉断層計):網膜の断層画像を撮影し、黄斑部の状態を詳細に評価します
  • 蛍光眼底造影検査:造影剤を注射し、網膜の血管や新生血管の状態を観察します

当仁川眼科医院では、OCTやオプトスカリフォルニア(超広角走査型レーザー検眼鏡)を導入し、黄斑部の微細な変化も捉えることができます。これにより、早期段階での加齢黄斑変性の診断が可能となっています。

加齢黄斑変性の治療法

滲出型加齢黄斑変性の治療

滲出型加齢黄斑変性に対しては、現在以下のような治療法があります:

  • 抗VEGF療法(硝子体内注射):異常な血管の成長を抑制する薬剤を眼内に注射する治療法です。現在、最も一般的かつ効果的な治療法とされています。多くの場合、数回の注射を一定間隔で行います。
  • 光線力学療法(PDT):光感受性物質を静脈注射し、弱いレーザー光を照射することで新生血管を選択的に閉塞させる治療法です。
  • レーザー光凝固術:強いレーザー光で新生血管を直接焼灼する方法ですが、現在は主に黄斑部から離れた部位の新生血管に限定して行われます。

当院は抗VEGF療法(硝子体内注射)を随時実施できる体制を整えています。患者さん一人ひとりの症状や進行度に合わせて治療計画を立案し、経過を見ながら適切な治療を行います。

萎縮型加齢黄斑変性の対応

萎縮型加齢黄斑変性に対しては、2025年後半に日本で初めて萎縮の進行を抑制する治療薬「アイザベイ(アバシンカプタドペゴル)」が承認されました。当院でも今後、導入を予定しています。

仁川眼科医院の加齢黄斑変性治療

当院の診療体制と特徴

仁川眼科医院では、加齢黄斑変性の早期発見から治療まで一貫した診療体制を整えています。当院の特徴は以下の通りです:

  1. 経験豊富な医師による診療:兵庫医科大学の教授を務めた院長をはじめ、兵庫医科大学元講師、大阪市立総合医療センターの元部長など経験豊富な眼科専門医が診療します
  2. 最新の検査・治療機器:OCTやオプトスカリフォルニア(超広角走査型レーザー検眼鏡)などの最新機器を導入し、精密な診断を行っています
  3. 硝子体注射の随時実施:抗VEGF療法を随時実施し、必要な方には即日の注射も行っています
  4. 丁寧な説明と定期的なフォロー:治療計画や経過について分かりやすく説明し、安心して治療を受けていただけるよう配慮しています