飛蚊症

「目の前に小さな虫や糸くず、黒い点が浮かんで見える...」このような症状でお悩みではありませんか?これは「飛蚊症(ひぶんしょう)」と呼ばれる症状です。
日本眼科学会の調査によると、40歳以上の約70%が飛蚊症を経験しているとされ、決して珍しいものではありません。飛蚊症の多くは加齢による自然な変化ですが、中には網膜剥離などの深刻な眼疾患の前兆である場合も。宝塚市の仁川眼科医院では、経験豊富な医師が飛蚊症の原因を丁寧に診断し、必要に応じてその場でレーザー治療も行っています。飛蚊症でお悩みの方は、まずは専門医への相談をお勧めします。

飛蚊症とは|目の前の浮遊物の正体

飛蚊症の症状と特徴

「目を動かすと一緒に動く黒い点や糸くずのような物が見える」「明るい場所や白い壁を見るとよく目立つ」これが飛蚊症の典型的な症状です。
この飛蚊症は、眼球内部の硝子体(しょうしたい)という透明な卵白様の組織内に生じた濁りが、影となって網膜に映ることで起こります。

見え方のイメージ

見え方のイメージ

飛蚊症の見え方は人によって様々です。小さな点や線、輪状、アメーバ様など、形も大きさも異なります。片目だけに見えることもあれば、両目に症状が出ることもあります。たいていの場合視線を動かすと一緒に動き、止まった後元の方向に戻るという特徴があります。

飛蚊症の原因

飛蚊症の原因は大きく「生理的な原因」と「病的な原因」の2つに分けられます。それぞれの原因によって対応や治療法が異なるため、正確な診断が重要です。

生理的な飛蚊症の原因

生理的な飛蚊症の原因

「年齢とともに急に飛蚊症が気になり始めた」という方がたくさんいらっしゃいます。最も一般的な飛蚊症の原因は、加齢による「後部硝子体剥離(こうぶしょうしたいはくり)」と呼ばれる現象です。

硝子体は若い頃は均一な卵白様ですが、年齢とともに液化(水分と固形成分への分離)が進みます。特に40歳を過ぎる頃より硝子体の後部が網膜から剥がれ始め、剥がれた隙間は水分に置き換わっていきます。これが後部硝子体剥離です。日本眼科学会の資料によると、60歳以上では約60%、80歳以上では約85%の方に後部硝子体剥離が見られるとされています。

この過程で、硝子体内に微小な濁りが生じ、これらが光を遮ることで飛蚊症として認識されるのです。生理的な飛蚊症は通常、時間の経過とともに気にならなくなることも多いですが、消失するわけではありません。

若い方でも近視が強い場合など、眼球が前後に長い形状の方は、若い頃から飛蚊症を生じることがあります。これも多くの場合は生理的な現象です。
飛蚊症の多くは生理的なものですが、自己判断は難しいため飛蚊症が気になった際は早めに眼科を受診するようにしましょう。

病的な飛蚊症の原因

「突然、黒い点や光視症(光が走る)が現れた」「視野の一部が見えにくくなった」「以前からの飛蚊症が急に増えた(広がった)」といった場合は、より深刻な眼疾患が隠れている可能性があります。以下が主な病的原因です。

  1. 網膜裂孔・網膜剥離
    後部硝子体剥離が起こる際に、硝子体と網膜の癒着が強い部分で網膜が引っ張られ、網膜が刺激されると光視症を自覚します。さらには網膜に穴(裂孔)の開くことがあります。この裂孔から網膜下に液状となった硝子体が入り込むと、網膜剥離へと進行します。日本における網膜剥離の年間発症率は10万人あたり約10人とされており、飛蚊症はその重要な初期症状です。
    網膜裂孔が生じる時に網膜の血管が破れて硝子体に出血します。自覚しないこともありますが、視界全体が暗くなったり、飛蚊症が急に増えたり、霧がかかったように見える場合があります。放置すると網膜剥離を生じ、失明につながる可能性もある緊急性の高い疾患です。

  2. 硝子体出血
    硝子体内に血液が漏れ出す状態で、「霧がかかったように見える」「視界が赤っぽく見える」などの症状や飛蚊症が突然悪化します。原因としては、上記の網膜裂孔以外に糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症、加齢黄斑変性などの疾患が考えられます。

  3. ぶどう膜炎
    眼の壁の中間層(ぶどう膜)に炎症が起きる疾患です。ぶどう膜に炎症が起こると、前房と硝子体に炎症細胞が浸潤するため飛蚊症を生じます。飛蚊症のほか、充血、光に敏感になる、視力低下などの症状が現れます。ベーチェット病、サルコイドーシス、原田病のような全身の免疫異常が原因であることや、細菌・ウイルス感染などが原因となることもあります。原因が明らかではない場合も多くみられます。

病的な飛蚊症とその治療

網膜裂孔・網膜剥離と飛蚊症

「突然、多数の黒い点が見え、光が走るような感覚もある」—これは網膜裂孔や網膜剥離の可能性があるサインです。網膜裂孔・網膜剥離による飛蚊症は緊急性が高く、早期発見・早期治療が非常に重要です。

・診断と治療
当院では、瞳孔を開く点眼薬を使用した散瞳検査や、OCT(光干渉断層計)、オプトスカリフォルニア(広角眼底カメラ)などの最新機器を用いて、網膜の状態を詳細に観察します。網膜裂孔が見つかった場合は、その場で治療(レーザー光凝固術)を行うことができます。

レーザー光凝固術は、網膜裂孔の周囲にレーザーを照射して網膜を周囲の組織と固着させ、網膜剥離への進行を防止する治療法です。10〜20分程度で終了する日帰り治療です。

網膜剥離に進行している場合は、より本格的な手術治療が必要となります。当院では適切な医療機関と連携し、最適な対応をご案内します。

硝子体出血による飛蚊症

硝子体出血は、「突然、視界が赤っぽくなった」「霧がかかったように見える」といった症状や、大量の飛蚊症が現れる状態です。

・診断と治療
硝子体出血の診断には、眼底検査や超音波検査などが用いられます。治療は原因疾患によって異なります

・糖尿病網膜症:目の治療と同時に血糖コントロールが最も重要。眼科的には、レーザー光凝固術が基本で、進行例では硝子体手術を施行。

・網膜静脈閉塞症:レーザー光凝固術や硝子体手術

・網膜裂孔が原因の場合:レーザー治療や硝子体手術

・加齢黄斑変性が原因の場合:抗VEGF薬の硝子体内注射

軽度の硝子体出血は1〜2週間で自然に吸収されることもありますが、大量の出血や繰り返す出血の場合は硝子体手術が必要になることがあります。
当院では上記の治療が可能で、日帰りで硝子体手術を行っています。

ぶどう膜炎による飛蚊症

ぶどう膜炎による飛蚊症の治療は、まず原因の特定から始まります。原因によって治療法は異なりますが、主にステロイド点眼薬や内服薬、免疫抑制薬などが用いられます。また最近では生物学的製剤と呼ばれる治療薬が開発されており、疾患や炎症の程度に応じて使用することもあります。

飛蚊症でお悩みの方へ

受診のタイミング

以下のような場合は、早急に眼科を受診することをお勧めします:

  • 飛蚊症が突然増えた
  • 光視症(光が走るように見える)を伴う
  • 視野の一部が見えにくい、または視力が低下した
  • 飛蚊症と同時に目の痛みや充血がある

特に、糖尿病や強度近視の方は、網膜疾患のリスクが高いため、定期的な眼科検診が重要です。

仁川眼科医院の強み

当院は宝塚市で長年にわたり地域医療に貢献してきた眼科クリニックです。
飛蚊症の診断・治療において、以下の強みがあります。

  1. 経験豊富な医師が複数在籍:兵庫医科大学の教授を務めた院長をはじめ、兵庫医科大学元講師、大阪市立総合医療センターの元部長など経験豊富な眼科専門医が診療します。
  2. 最新の検査機器を完備:オプトスカリフォルニア(超広角走査型レーザー検眼鏡)やOCT(光干渉断層計)など、精密な検査機器を用いた正確な診断が可能です
  3. その場でのレーザー治療:網膜裂孔が見つかった場合、即日にレーザー治療を行うことができます
  4. 丁寧な説明と不安解消:患者さんの不安や疑問に対して、分かりやすい説明を心がけています

飛蚊症は多くの場合は心配のない症状ですが、時に重篤な眼疾患のサインである場合もあります。「気のせいかも」と思って放置せず、一度専門医の診察を受けることをお勧めします。当院では患者さんの目の健康を守るため、最適な診断と治療を提供いたします。